「? なにがですか?」

ちゃんと話すためにパソコンを閉じながら言うと、意味がわからなかったのか、訊き返された。

「家でまで先生やる気はない。流夜でいい」

「……名前で呼べってことですか?」

華取は驚いたように目を見開いた。

「誰かに聞かれてバレるのも面倒だろ。俺は教師辞めればいいだけだけど、華取はそうはいかない。だから、呼んでみな?」

「……りゅう、や……さん?」
 
かわいい。

華取は気恥ずかしさからか、小さくなりながら小さな声で言った。

……だがそれでは納得できない。

「それだと落ち着かないな。呼び捨ては?」

「む、無理です! 基本的に目上の人にそういう態度とると師匠に怒られるので、無理です」

華取はいっぱいいっぱいの様子で言い募る。