じー。
「咲桜?」
じー。
「咲桜―?」
目線の途中に、にゅっと親友の顔が現れた。
「わっ? あ、うん。どした?」
何回も名前を呼ばれていたようだ。
しびれを切らした親友の顔がどアップになって、私の意識は現実に引き戻された。
「神宮先生がどうかしたの? そんな睨んで」
「!」
ビクッと、大袈裟に肩が跳ねてしまった。その、名前、今、厳禁! 私はしどろもどろで逃げ場を探す。
「い、いや~……ちょっと考えごとを? ね」
と、明らかに挙動不審で視線を彷徨わせる私を見て、首を傾げる小学校来の親友。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…