俺の部屋は、私事で寝落ち確実なのでローテーブルしか置いていない。

食事中、華取はずっと正座していた。

俺は胡坐かいていて――いつもだったら食事中も私事するから、机や周りにはメシと一緒に資料が散乱している。

行儀に差があり過ぎるな……。華取は背筋がしっかり伸びていて、箸の使い方も綺麗。……こういうところも、がんばった結果なのだろうか。

夕飯を終えても雨はまだ止まなかった。

一緒に皿を洗っているとき、在義さんから華取にメールがあり、今夜は帳場ではないが泊まり込みになったということだ。

あとで吹雪に連絡して、必要があれば応援にまわらせてもらおうと決める。

……華取がいる間は、ここにいるけど。

「華取って弥栄と仲いいのか?」

ふと、そんなことを訊いてみた。これ、実は気になっていたことだ。

夕飯の片付けも終わって、華取は手持無沙汰そうだ。

俺は私事片手間になるけど、勉強でも見てやるのはどうだろう、なんて考えていた頃だ。

「やさか?」

「弥栄旭葵」

「ああ、旭葵くんですか」

……堂々と名前呼びするほど仲がいいのか。思わず眉をひそめてしまう。

華取は考えるように、人差し指を口元に当てる。