「神宮です……すみません、在義さん……」
華取がここへ来た原因が自分であることの不甲斐無さに、声が弱気になっている。
在義さんが怖いのもあるけど、華取に面倒をかけたことが申し訳なかった。
『風邪は大丈夫なのかい? 咲桜、むしろ邪魔してはないか?』
「………」
在義さんが怒らず、俺の心配をしてくれた?
「はい、華取が来てくれて助かりました。ありがとうございます」
『そう、それならいいんだ。気を付けて。ただし、ね? 流夜くん』
「………」
嫌な汗が頬を伝う。
『そういう咲桜のおかげで元気になったんだったら……恩を仇で返すような真似は出来ないよねぇ』
出来るわけがありません。