「必要なかったらそう言ってもらって構いません。でも、出来るだけ世話は焼かせてください。その……私だって先生とは利害一致の同じ立場、なんですから……偽物でも、少しは役に立てればと……だ、だから早く休んでくださいっ」
憤然と言った華取だが、その瞳は泳いでいる。
追い出されたらどうしよう、そう言っているように見えた。
うーん……在義さんに睨まれてやるか。どの道、在義さんにも簡単に殺される気はない。
「ありがとう」
応えると、華取は勢いよく顔をあげた。そこに安堵が見て取れる。
「病人扱いもされたことがないから、どうしたらいいのかわからないんだが……」
「じゃ、じゃあ取りあえず――休みましょうっ」
「……どうやって?」
休む、という概念のない俺だった。
そもそも休む必要がなかったから、どうしていれば『休む』ことになるのかわからず華取に訊いた。
華取の顔色が悪くなる。