「デフォはこっちだ。学校では問題がないように振る舞っているだけだ」
「なんでですか?」
私の率直な問いかけに、神宮先生は困ってしまったようだ。
少しだけ、目線をうろうろさせた。
「……個人的な事情だ。別に悪いことはないだろう?」
個人的な事情で学校では問題がないように振る舞っている? うーん? まあ、悪いことはないと思うけど、もったいないとは思う。
「在義父さんとは知り合いなんですか?」
私は質問を重ねる。
先生は、なんと説明しようか考えているように視線がさまよう。
「……俺は、本業学者という扱いになっている。警察の現場に出ることもあるし、専門家として協力することもある。その関係での知り合いだと思ってくれ」
「学者?」
「犯罪学者」
「………」
私は思わず首を傾げた。神宮先生の言葉が理解し切れなかった……。
先生って、先生じゃないの?
私の脳が先生の言葉を噛み砕けていないのを察してか、先生は早口で続けた。