ああ……やっぱり知っているんだ……。
それでも、私を在義父さんの娘として見てくれる。
ずっとずっと、そのためにがんばってきた。
「がんばって、ました……。がんばらないとわたし、自分が生きてることを、ゆるせませんでした……。母さんを死に追いやったのはわたしです……わたしが、いたから………父さんが再婚しないのもわたしがいるからです。だから……」
料理も、洗濯も、家のことは父さんの手をわずらわせないよう頑張った。
出来ることはなんでもした。そうしないと、自分が生きていていいと思えなかった。
記憶喪失、出所不明な母の許に生まれた自分。父が誰かもわからず、また母が誰かもわからず。
自分の仕事を犠牲にしてまで結婚した相手は死んでしまい、血の繋がらない子供だけが残されて。
父さんの負担にしかなっていない。いついらないといわれるかわからない。
だから、がんばるしかなかった。
「………」