「どうした?」

助手席でそわそわしている華取に声をかける。

落ち着きのない様子に、なにか嫌な思いでもさせてしまったかと、刹那不安になった。

……そもそも、勝手に連れてきてしまったし。

在義さんに連絡済みとはいえ……。華取が、弾かれたように顔をあげた、

「いえ……なんか落ち着かないなー、と。神宮先生と話したこともあまりなかったですし……」

ああ……そういやそうだな。

むしろ、ほぼ初対面に近い相手に緊張するなと言う方が無理だろう。

華取にとって俺は、教師と父親の知り合い、両方として相手にしなければならないから戸惑うこともあるだろう。

「そうだな。まあ……申し訳ないが、在義さんの娘だと知っていたから、極力関わらないように、俺もしていたし」

「なんか……すみません」

「謝ることない。俺も、警察事案に首突っ込んでるなんて学校にバレたら面倒だから黙っているしな」

「ああ……、そうですね。さきほどの……吹雪さんは警察の方なんですよね? 先生はならなかったんですか?」