「車で来てるんだ。もう遅いから送っていく」
「いや、先生も用事があって来たんじゃないんですか?」
まだ署内にも入っていないですよ? 華取の顔がそう問うようで、俺は素っ気なく返す。
「今日は吹雪について来ただけだ。もう用も終わったから、問題ない」
「そう、なんですか?」
どうしたものかと、華取を困らせてしまったみたいだ。
そんな中、吹雪が口を挟んだ。
「降渡はどうするの? 一緒に来たんでしょ?」
「あいつはどうせこれから仕事だ。歩かせればいい」
俺はいつも通りだけど、華取は困った顔をした。
他人に関心がなさすぎる、とはよく言われる評価だ。
「それは申し訳ないですよ」
「なにも遠慮することはない」
「遠慮しますよ。お友達もいるんでしょう?」
「時間潰しに龍さんのとこを使う様なヤツだ。気にすることない」
「先生そんな言い方……龍さんのとこ、って、《白》ですか?」
華取がそこに反応した。