「お前の後継者だろうってスゴまれてよ。いや驚いた。あいつもあんな親みてーなキレ方出来るんだな」

心の底から感心している風情の龍さんに、俺は冷や汗をかいていた。

在義さん、一昨日のあの場では納得したような風だったが、やはり完全に手放しで受け入れたわけではないようだ。

そしてキレられていたのか……? ショックだった。

「……ん? 親みてーなって?」

降渡がそう訊き返していた。

衝撃で一時停止してしまったが、俺も同じことを疑問に思っていた。

母親が亡くなっているとはいえ、在義さんが父なのだろうに。

「ん? ああ、お前ら知らねーか。あいつも言わねーもんな」

頭をかいてバツの悪そうな顔をする龍さん。

また、猫の鈴が鳴った。

「ふゆー、こっちー」