「在義パパ公認なら、どうにかなるよ」

「そうだね。でも夜々さんは父さんに克つ唯一だよ?」

「咲桜は在義パパと夜々さんの結婚狙ってるもんねー」

「夜々さんを堂々とお母さんとか呼んでみたいからね。それに夜々さんのお嫁さん姿絶対見たい! 絶対可愛いっ」

「あははー、とんだ娘持ったな、在義パパ」

私の宣言に、笑満は平坦な笑いをこぼす。

「夜々さんなら、桃子母さんも認めてくれると思うんだよ。在義父さんの幼馴染で、桃子母さんの親友だもん」

箏子(ことこ)師匠はいいの?」

「……夜々さんと父さんの結婚を一番願ってたの、師匠だよ」

「……そうだったね」

沈んでしまった空気を吹き飛ばすように、私は腕を組んで口を尖らせた。

「しっかしなあ。桃子母さんが亡くなってからもう十年だっていうのに、父さんも夜々さんもそういう気配全然ないのが困りもんだ」

「そもそも夜々さんは在義パパのことすきなの?」