「咲桜……ただのイケメンなんて言葉はないと思うよ?」
「わかってる。私の日本語がおかしいことはわかってる。でもそれ以外に言いようがないんだ……そしてレベル高いをつけて」
「レベル高いんだ。旭葵くんとどっちのがすき?」
「す、すき? え、基準はそれで考えるの? どっちのがカッコいいとかでなく?」
「うん」
笑満に真面目な顔で肯かれては考えるしかない。
先生と旭葵くんどっちのがすきって、難題過ぎる……。
…………………………………。
「………先生、かもしれない」
目線がうようよする。なんかすごくすごく恥ずかしいことを言っている気がする。
「ほおー」
「……」
ニヤニヤしているのがわかるので、笑満の方は絶対見ない。
「あたしは夏島先輩が一番カッコいいと思うけどね!」
「カッコいいからすきなの?」
ふとそんなことを訊くと、笑満は目をぱちくりさせた。そして、少しだけ唇の端が揺れた。