「否定しません。で? どうなったの?」
「じつはそれ、マナさんが仕組んだ見合いで……」
「お、お見合いっ? まさかその相手が神宮先生だったとか言うんじゃ――」
「言うんだ。言うんだけど……あれは神宮先生であって神宮先生でないと言うか……」
「? どういうこと?」
「えとね、先生は犯罪学者なんだって。専門家として事件に関わってて、父さんや龍生さんとも知り合いなんだって。それで――笑満? 大丈夫?」
笑満が頭を抱えてしまった。くそっ、先生め。笑満をこんな目にあわせやがって。話したのは私だけど。
笑満がうめいた。
「い、意味がわからない……」
「だよねえ。私も未だに全部理解し切れてないもん」
「と言うことは、なに? 在義パパは神宮先生が、犯罪学者しながら教師もやってたって、知ってたの?」
「それは知ってたみたい。私と同じ学校――藤城とまではわからなかったみたいだけど」
笑満はまたうなった。笑満は在義父さんのことを、『在義パパ』と呼んでいた。