「じ、神宮先生⁉」

「……うん」

笑満に腕を引っ張られるようにして家に帰るって部屋に入ると、笑満は待っていましたと言わんばかりに私を正座させて訊き出して来た。

お茶の用意もさせてくれなかったよ。

私が正直に、『神宮先生と偽婚約結んだ』と言うと、案の定の反応だった。

「何で神宮先生? それに偽婚約ってどういうこと?」

向かい合って正座した笑満はぐいぐい訊いてくる。

「長くなるけど……全部話していい?」

「勿論。って言うか全部訊き出すし」

私の腹も決まっている。

学校で全部話さななかったのは、どこに誰の耳があるかわからないのもあるけど、頼に聞かれるとちょっと困ったことになりそうだったからだ。

「実は日曜日に師匠に気絶させられて、気を失ってる間に着物着せられてて」

「冒頭からぶっ飛んでるなあ、咲桜の世界は」

笑満からは呆れの声、だが。

「笑満も私の世界だよ?」