どんな言葉を使うか迷ったけど、自分は笑満に隠し事は出来ない体質だともわかっている。 「うちで詳しく説明するから、絶対に大声出さないでよ? あと、質問攻めも今はナシでお願いしたい」 「うん」 笑満は素直に肯いてくれた。私は一回、深呼吸する。 「……偽モノの、婚約者が出来ました」 目線を笑満に向けられずに言うと、六秒ほど沈黙された。 「……はい?」 笑満はこてんと首を傾げた。 私も、もっともな反応だと思った。