そう苦笑気味に問えば、
「咲桜はあたしと頼には器用じゃないからねー」
と、笑満も微苦笑で返して来た。
本当は、昨日のうちに笑満に話そうと思っていたのだけど、タイミングが摑めずに今日まで延ばしてしまった。
そして学年でもトップクラスの成績を誇る頭の笑満だ。
昨日今日と、私が昼休みにいなくなったことで何かしら考えてはいるだろう。
……まさか神宮先生の裏の顔――表の顔? までは考えつかなくても。
ふと、笑満が声を潜めて来た。
「ねえ咲桜、彼氏出来たとか、そういう話?」
「―――」
思いっきりかすってきた。
「さすが笑満だな」
あ、心の声が口に出た。途端、ぱっと笑満の顔が輝いた。
私を逃がさんとばかりに左腕を摑んで来た。