月曜日。迎えたクリスマスイブ。
幸いなことに、仕事は予定通りに済んだ。
今日はなんとなく社内が華やいでいた。
月曜日とはいえ、イブを楽しむ女の子たちがおしゃれをしているからだろう。
帰りがけ、まだまだ仕事が終わらなそうな雰囲気の情報システム課を見ると、パソコンに向かう笹木の横顔が見えた。
――笹木くんはデートじゃないのかな。
そう思うと、少しホッとする自分の気持ちに羽菜子は気づかないふりをした。
足早に向かった路地裏。
『本日、貸し切り』
店の外にはそう書いてあるプレートがあった。
ガラス越しにとんがり帽子を被ったマスターとバーテンのお兄さんが見えて、クスッと笑ってしまう。
いつものようにドアベルを鳴らしながら中に入ると、帽子を被ったマスターがいつになく白い歯を見せてニッコリと迎えてくれた。
「お待ちしておりました」
羽菜子が勧められた席は、いつものカウンター席。
見たことがある女性や、見覚えがない男性などがいて、店内は満席だった。
音楽はクリスマスにちなんだジャズ。
奥の壁際に作られているスクリーンに、チャップリンの白黒映画が映しだされている。
そこはいつも深紅の薔薇がスポットライトを浴びている壁で、今夜はロールスクリーンが下げられていた。
幸いなことに、仕事は予定通りに済んだ。
今日はなんとなく社内が華やいでいた。
月曜日とはいえ、イブを楽しむ女の子たちがおしゃれをしているからだろう。
帰りがけ、まだまだ仕事が終わらなそうな雰囲気の情報システム課を見ると、パソコンに向かう笹木の横顔が見えた。
――笹木くんはデートじゃないのかな。
そう思うと、少しホッとする自分の気持ちに羽菜子は気づかないふりをした。
足早に向かった路地裏。
『本日、貸し切り』
店の外にはそう書いてあるプレートがあった。
ガラス越しにとんがり帽子を被ったマスターとバーテンのお兄さんが見えて、クスッと笑ってしまう。
いつものようにドアベルを鳴らしながら中に入ると、帽子を被ったマスターがいつになく白い歯を見せてニッコリと迎えてくれた。
「お待ちしておりました」
羽菜子が勧められた席は、いつものカウンター席。
見たことがある女性や、見覚えがない男性などがいて、店内は満席だった。
音楽はクリスマスにちなんだジャズ。
奥の壁際に作られているスクリーンに、チャップリンの白黒映画が映しだされている。
そこはいつも深紅の薔薇がスポットライトを浴びている壁で、今夜はロールスクリーンが下げられていた。