見合いをしたところでろくに会話もできないだろうし、上手くいくとは到底思えなかった。


そんな自分を振り返り、今後の人生を考えると、不安と寂しさで押しつぶされそうになる。

ひとりで生きていくのは別にいいとして、病気をしたらどうなるんだろう、
仕事がなくなったらどうやって生きていったらいいのか。

そもそもなんのために生きているのか。

ついにはそんなことまで考えて暗くなる。

――そんなこと、いま考えても仕方がないのに。



気を取り直してコーヒーを飲みながら、今夜のメニューはなにかなぁ、と考えた。

彼女には唯一の楽しみがある。

それはお気に入りの店でディナーを愉しむことだった。