――夢を見た。
『お疲れ様、琴音』
『長旅で大変だな』
懐かしい高校時代の制服に身を包んだふたりが、わたしに笑いかけた。
美輝と怜だ。わたしは慰霊碑に手を合わせに行くこともできなかったのに、ふたりがわたしに会いに来てくれた。
『美輝、怜、ごめんね。わたしっ……!』
そこまで口にしたところで、美輝がぎゅっとわたしを抱きしめてくれた。
『わたし達は、ずっと琴音を見てたよ』
懐かしい声に涙が溢れる。
『わたし、なにもうまくできない。結弦や、美輝と怜のことだってなにも……』
『そんなことないよ。毎朝時間どおりに会社に行ってさ。どれだけいやなことがあっても、週末は必ず結弦のところに行ってあげる琴音を、わたし達はずっと見てきた。ほんとに琴音は心配になるくらい頑張り屋だよ』
美輝の声は微かに語尾が震えていた。
これは夢だ。だけど美輝のたしかな感触と、そのぬくもりが全身を駆け巡る。
『お疲れ様、琴音』
『長旅で大変だな』
懐かしい高校時代の制服に身を包んだふたりが、わたしに笑いかけた。
美輝と怜だ。わたしは慰霊碑に手を合わせに行くこともできなかったのに、ふたりがわたしに会いに来てくれた。
『美輝、怜、ごめんね。わたしっ……!』
そこまで口にしたところで、美輝がぎゅっとわたしを抱きしめてくれた。
『わたし達は、ずっと琴音を見てたよ』
懐かしい声に涙が溢れる。
『わたし、なにもうまくできない。結弦や、美輝と怜のことだってなにも……』
『そんなことないよ。毎朝時間どおりに会社に行ってさ。どれだけいやなことがあっても、週末は必ず結弦のところに行ってあげる琴音を、わたし達はずっと見てきた。ほんとに琴音は心配になるくらい頑張り屋だよ』
美輝の声は微かに語尾が震えていた。
これは夢だ。だけど美輝のたしかな感触と、そのぬくもりが全身を駆け巡る。