ヨーヨーを弾ませながら移動して、歩道の端で見せあう。

 夜の闇に浮かぶそれは、色を揃えて空へ掲げてみると、まるで夜空に架かった虹みたいだ。この場に葵ちゃんがいないのが残念だけれど……。

 それからも、わたし達はたくさん遊んだ。

 怜が射的の腕前を披露して、結弦が輪投げでよくわからない置物をゲットした。
 わたしは金魚すくいで出目金に振られて、美輝はスーパーボールをお椀いっぱいにすくい上げた。


 ――笑い声は絶えない。光を灯した提灯が揺れる道を、お喋りをしながらゆっくりと歩く。からんころんと下駄の音が耳に心地いい。


 りんご飴も食べ終えて、気づくと花火の打ち上げ時刻まであと三十分を切った頃、結弦が夜ごはんについて提案した。


「そろそろ時間だから、みんな屋台で食べたい物を買って近くの神社へ移動しようか」


 神社でゆっくり見る花火なんて、想像するだけでわくわくする。


「じゃあ、買う物決めてふた手にわかれようよ」


 美輝がさらに提案を重ねると、結弦はスマホを取り出してメモアプリを開いた。

 二、三分の話し合いの末、わたしと結弦は焼きそばとからあげと焼きとうもろこしを、美輝と怜は串焼きとたこ焼きと飲み物を買いに行くことに決めて、ふた手にわかれた。