葵ちゃんに連れられて歩くと、すぐに駄菓子屋が見えてきた。
店先には瓶の飲み物が入った冷蔵庫にアイスが詰まった冷凍ケース。それになんだかよくわからないガチャガチャやゲームの台まで置かれている。
「ウチに来てくれたんでしょ、なににする? かき氷もあるわよ」
「あ、わたしかき氷食べたい。ブルーハワイある?」
「ええ、もちろんあるわよ。美輝ちゃんはブルーハワイね。他のみんなはどうする?」
この暑さにかき氷は嬉しい。結弦は抹茶、怜はレモン、わたしはイチゴを注文すると、葵ちゃんは「ちょっと待っててね」と言い残して、店の奥へと姿を消した。
その背中に一瞬鋭い視線を送った美輝が、小声で結弦に問いかける。
「結弦、あの子と最後に連絡取ったの、いつ?」
「小学校以来だから、もう遠い昔だよ」
「そっか。じゃあ随分会ってないんだね」
どうしたんだろう? 美輝の表情がちょっと険しい気がするけれど……。