「結弦とはいっぱい話せた?」
美輝ががさがさとポテチの袋を開けながら言った。
「うん、でもふたりで話すのが随分懐かしい気がして緊張しちゃった。変だよね、毎日学校で会ってるのに」
「そんなことないよ。学校じゃないし、好きな人と知らない場所でふたりきりになれたらドキドキもするよ」
「じゃあ美輝はどうだった? 怜とふたりきりになれて、ドキドキした?」
「そ、そりゃ……多少は」
赤くなってどもる美輝。いつもはお姉ちゃんみたいなのに、なんだかかわいい。
「美輝もそんな顔するんだね、ちょっと意外かも」
高校三年間ずっと一緒なのに、まだまだ知らない美輝がいる。
「もう、やめてよ」
照れ隠しなのか、美輝はポテチをがさっと手に取りもごもごと頬ばる。