わたしをきつく抱きしめたまま、結弦は小さく呟いた。
「琴音の未来……きっと叶えようね」
ゆっくりと体を離して結弦を見上げると、一筋の星が空を横切った。
星が降り注ぐ夜空の下で、わたし達は見つめ合い、そっと唇を重ね合わせる。
優しい声を、このぬくもりを、夢の中でずっと待ち焦がれていた。
――ねえ結弦、わたしのこの気持ちも、決して枯れることなんてないんだよ。
今この瞬間を写真のように切り取れたなら、どれだけすてきだろうね。
この思い出があれば、わたしはどこまでも進んでいけるよ。
背中に羽が生えて、空を飛ぶことだってできるかもしれないよ。
そうしたら、この広い海をどこまでも越えて、結弦を追いかけていけるんだよ。
夜に紛れて夢の中で囁くように、わたし達は優しい言葉を交わし続けた。
時折唇を触れ合わせて、それは奏で合う音楽のように心地よく響いていた。
永遠とも思える、短い時間が過ぎていく。
空は変わらずそこにいて、星の輝きを称えていた。
まるでわたし達の未来を照らすかのような、満天の星空だった。