何故か私はそんな身の上話を彩音に話していた。彩音なら、私の境遇や苦労が分かってくれると思ったのだ。
 
 そこまで話したところで、彩音が突然、笑い出した。尋常じゃない笑い方に、腹が立つよりもただただ驚いた。壊れてしまったんじゃないかと心配もした。
 
 どうしていいかオロオロしていると次第に呼吸も落ち着き、深呼吸を始めたので私も胸を撫で下ろす。
 
「落ち着いた?」

 顔を覗き込むと彩音は何度かうなずいた。