「あら、好かれるほど接してないと思うけど?」
「人間としてじゃないです。恋愛対象として――」

 私は女性しか好きになれないんです。そこまで一気に告白する。ここで大抵、告白された相手はドン引きする。自分との価値観の違いにおののき、退路を探す。
 
 でも、真澄は違った。まさかここまでも悟っていたのかと思うくらいに落ち着いた様で、ただただ静かに私を見つめ返す。もしかして――だなんて一瞬考えてしまった。でも違った。真澄が目を伏せたことで勘づいてしまった。