「だったらちゃんと断ってあげてよ。多分、あなたが琉一に対して満更でもないってアイツは考えてるよ」
「ですよねぇ。さすがに申し訳ないんでできるだけ早くにはっきり言います」

 真澄と対峙した時点で、本田に時間を割く必要がなくなった。無駄ともおさらばだ。
 
 そこでようやっと手にした紙袋の存在を思い出し、真澄に差し出した。中には二つの弁当袋。もちろん中身は洗ってある。汚い状態のまま返却するほど非常識ではない。