しかし、昨晩、なかなか眠ることができず、あれこれと思いが交錯しているうちに気持ちが変わった。
 
 現状では、どう転んでも私と真澄が友達になることはないことに気づいたのだ。今はまだ本田が私に好意のベクトルを向けているに過ぎないが、いつどんなタイミングで私の気が変わり、私が本田に目を向けるか分からない。もちろん実際のところは本田は恋愛対象にすら入らないのだが、私のことを良くも知らない第三者がそんなこと分かろうはずがない。
 
 だから――じっくり構えることを私は止めた。