真澄が公園に訪れた時はベンチに座る。座って何をするかは様々だ。本を開く時もある。スマホを眺めている時もあった。物思いに耽りたいのかボーッと景色を眺めることも。
 
 これが彼女なりのリセット方法なのだろう。
 
 駅の改札を抜けると、私は迷わず公園を目指した。真澄がいつも座るベンチが丁度見える花壇の縁に座る。公園には二組親子連れがいるだけだ。そのままでは変質者みたいなのでスマホに目を落として待つことにした。
 
 そのまま二時間半ほど待った。どれだけ待たされても、いそいそと帰るつもりはなかった。