仕方なくタクシーを呼び、一緒に乗った。送るよと言われたものの、自宅の場所を知られたくないし、道順的にも本田の家の方が近い。そもそも本田はかなり酔っていた。どっかそこらへんで寝られても困るので、運転手に頼んで、まず本田の家に向かってもらうことにした。
お疲れ様でしたと千鳥足の本田の背中を見送り、早々にタクシーを発進させた。
先ほどまで本田の座っていたシートの上に二つの弁当袋が入った紙袋が置かれたままなのに気づいたのは、本田と別れて十分ほど過ぎた頃だった。今更戻る気も起こらず、そのままタクシーを自宅まで走らせ、紙袋を手に私はタクシーを降りることにした。
お疲れ様でしたと千鳥足の本田の背中を見送り、早々にタクシーを発進させた。
先ほどまで本田の座っていたシートの上に二つの弁当袋が入った紙袋が置かれたままなのに気づいたのは、本田と別れて十分ほど過ぎた頃だった。今更戻る気も起こらず、そのままタクシーを自宅まで走らせ、紙袋を手に私はタクシーを降りることにした。