やんちゃな本田と冷静沈着な真澄。本田の両親もよほど真澄のことを信用していたのだろう。遠足も夏季合宿も修学旅行も、本田の隣に真澄をつけたがった。
 
 だったら親公認の仲ではないか、と思ったものの、息子の幼馴染と息子の彼女では意味合いが違うかと思い直す。
 
 本田は本当に真澄のことはあまり興味がないのか、趣味や特技も知らなかった。大人になってからの接点は驚くくらいに少なく、朝の駅前と弁当袋を返すのに連絡を取って落ち合うくらいで、それもお茶をすることもなく、近況を話し合う程度で別れるのだと言う。
 
 それでも真澄の話を聞くのは楽しく、二人の思い出話を聞いているうちに時間が過ぎ終電を逃してしまった。