料理の価格の分、心も軽くなり、ひとしきり世間話に花を咲かせた後、私はいよいよ本題に入った。もちろん本田と真澄の二人の話だ。まぁ、本田の部分はぶっちゃけどうでもいいが、話についてきてしまう――というより本田の体験談なのだから当たり前だが――のだから仕方がない。
 
 二人のなれ初めは何の変哲もないものだった。幼稚園が一緒で気づけば一緒に遊んでいた。まぁ、幼馴染のなれ初めなんてそんなもんだろう。年が近い。近所に住んでいた。親同士が友達。そんな感じ。
 
 小中と同じ学校で、高校からは別になった。もともと学力にそれほど差がなかったことから、学部こそ違えど、偶然にも大学は同じになった。
 
 そこからまたちょくちょく行動を共にするようになったのだという。