「まぁ、それはね。念の為、多めにお金は用意してあったから大丈夫」
「でも、気楽に食べておしゃべりする感じでもないですよね?」
「だね?」
「だったら……いつものところ行きましょうよ」

 私は何度か本田と飲んだ大衆居酒屋の名前を出した。あそこなら気兼ねなく飲み食いができる。
 
「いいの?」
「何がですか?」
「いや、女の子って高級な店の方が……いいでしょ?」