「よかったぁ」
「よかった……?」
「いや、実はね、僕もここまで高いと思ってなかだたんだよ。友達にデートにいいよって勧められて、人気あるから予約入れといた方がいいよって言われたから予約した。そこまではよかったんだけど、まさかここまで高級だったとは想像してなかった」

 私は慌てて本田の耳元に顔を寄せる。
 
「お金、大丈夫ですか?」

 そう囁くと本田は破顔した。