「えぇ……ビールで」
「あと、食べたいの注文していいよ」

 それにはお任せしますとしかいいようがなかった。
 
 本田が頼んだのは麻婆豆腐と海鮮春巻と焼売など数種類が入った中華せいろ蒸しだ。ビールもジョッキじゃなく大きめのグラスなので絶対的な量が少なく、料理もまたお上品に皿の真ん中にチョコンと鎮座しているのみだ。
 
 必然的にチビチビと口に運ぶしかなかった。とてもじゃないがじゃんじゃん飲んで、料理も頼んで、ごちそうさまというわけにもいかない。