「そう? だったら一緒に行きたい店あったんだよ」

 途端に本田の表情が明るくなった。単純な奴。まぁ、分かってたけど。
 
 今日は残業するほどの仕事も残っておらず、定時までの最後の一時間の本田のテンションが異常なほど高かった。
 
 定時とともに本田と一緒に退社。あれこれと話しかけたくる本田の話に適当に相槌を打ってやり過ごす。