私は少なからずダメージを受けていた。琉一が私のことを幼馴染以上でも以下でもないと言ったことじゃない。琉一が目の前の若い後輩を、特別な目で見ているからだ。
 
 ショートポフの髪型。目を大きくクリっとしている。表情が豊かで童顔。背はどちらかといえば小柄で、ゆるふわの空気をまとっている。
 
 付き合いが長いから分かる。間違いなく琉一の好みだ。しかもタイプのど真ん中。
 
 だから惹かれるのは致し方ないのかもしれない。でも――だからって、こんなにあからさまに正体の見せない、演技ばかりの女に騙されるなんて。