「いつも悪いな」

 琉一の笑みを見ることができて、早起きしてよかったなとしみじみと思う。
 
 そんなコピーしたかのような時間の流れに変化が訪れたのは駅の改札の近くまできた時だ。一人の女の子が琉一に走り寄ってきた。
 
「本田先輩、おはようございます。昨日はお弁当ありがとうございました。会社のそばで渡すのも、色々と周囲の目が気になると思ったので、だったらと思って、ここまできちゃいました」