いつも通りに家を出た。今日は特にキンと寒い空気が顔にささって、思わず手のひらを頬に当てた。
 
 駅への道をやはり普段と変わらないペースで歩く。琉一もまた律儀に生活リズムを刻んでいるようで、大体同じ場所で追いついた。
 
 よっと言って肩を叩き、おはっと返事がある。二人だけのリズム。心地よいやり取り。
 
 昨日渡した弁当袋はまだ帰ってきていないから、今日はパステルカラー黄色の弁当袋を琉一に手渡した。