でも――彼女の作ったお弁当なら是非是非食べたい。
 
 結局は誘惑には勝てず、気づけば私は弁当袋を受け取っていた。
 
 私が食べたって口が避けても彼女に言ったらダメですよ。気分を害しますからと、釘を差すのが精一杯だった。
 
 それが今朝の出来事だ。渋々受取った体を保ったが、午前中、ずっと気持ちが昂《たか》ぶっていた。