この夢現(ゆめうつつ)の状態を貪ることこそが、私の生活の最高の癒やしの時間であり、活力の源となっている。ぶっちゃけ三度の食事よりこの時間が好きなのだ。
 
 十五分後、もう一つの目覚まし時計が鳴り、至福の時間は終焉を迎える。毎朝、名残惜しさを噛み締めつつ、いそいそと私はベッドからはい出て、キッチンに向かうことになるのだが、その際、枕元の写真立てを一瞥するのがルーティンとなっている。琉一が美味しそうに弁当を頬張っている写真だ。
 
 その写真に元気と勢いをもらい、起きるとまずシュシュで髪を一つに束ね、エプロンをつける。