うぜーなぁ。隣を歩く職場の先輩の本田琉一を見る。少し愛想を振りまいただけで、デレデレと鼻の下を伸ばすだらしない様に虫唾が走る。
 
 仕事をしやすくするために可愛い後輩を演じていることに、この男はどうして気づかないのか。
 
 いや、気づかれても困るか。これはこれで生きる術だ。
 
 だからといって、いつまでも我慢はできない。こっちにも堪忍袋というものがある。