お互い近くには住んでいるのだ。通勤で使う駅も同じ。
 
 それでも朝の九時までに席につけばいい私とは違い、琉一は八時過ぎには仕事を開始しているようだし、会社までの距離も所要時間も雲泥の差がある。必然的に琉一にお弁当を届けるためには私の朝が早くなる。弁当を作る時間も必要になるし、身支度もしなければならない。 
 
 とはいえ、私もロボットじゃないからきっちり朝の四時に起きるようなことはしない。スヌーズ機能を利用して――五分ごとにアラームが鳴るように設定してある――アラーム三回分の計十五分だけ寝坊させてもらっている。