交差点を左折する。昨日のテレビドラマやら他愛もない話をしていると、すぐさま駅が見えてくる。
 
 改札を抜けたところで私は琉一を呼び止めた。
 
「はい、これ。お弁当」
「いつもいつも悪いな」
「ううん。一人分作るのも二人分作るのも手間は同じだから」
「さんきゅ」

 やはり目尻にこれでもかと皺を寄せて笑い、琉一は弁当袋を受け取る。