ん、んーん。
久しぶりに朝まで残ってしまったアルコール。
この感じは・・・2日酔い確定だわ。
はぁー。
大きな溜息を1つ。
一体私は何をやってるんだ。
それに・・
やっと目が覚めて、辺りを見回す。
え、ええっ。
嘘。
ここは、家じゃない。
杉本桃子、27歳。看護師3年目。
真面目に地道に生きてきたつもりなのに、酔っ払って知らない部屋で目を覚ますなんて、一生の不覚。
待て待て、落ち着くのよ。
ここは冷静に昨日のことを思い出して。
昨日は職場の親睦会だった。
うちの部署の発案だから勤務じゃない人は強制参加だなんて言われて、無理矢理連れ出された。
いつもだったら絶対に行かないんだけれど・・・
「無理強いする気はないけれど、何か予定があるの?」
と、師長に言われ、
「予定はないのですが」
と答えてしまった。
「あなたがこういうの好きでないのは知っているけれど、たまには顔を出したら?今はまだいいけれど、これから先人を統率する立場になったとき、今のままでは良くないと思うわよ」
「・・・すみません」
他に言葉がなかった。
無愛想で、かわいげのない私をいつもかばってくれる師長は本当にいい上司だと思う。
私が今の病院で看護師を続けていられるのも素敵な上司に恵まれたから。
その意味では感謝しかない。
「嫌なら途中で帰ればいいから。ね?」
「はぁ」
ここまで言われて断ることはできなかった。
1次会は病院近くの居酒屋。
メンバーは20代から30代前半の独身ナースやドクター、そのほか病院スタッフ。
大体20人位が参加していた。
普段救急病棟に勤める私は、他の部署に比べたら色んな科のドクターと顔を合わせることが多い。
でもそれって仕事上のことで、ちゃんと話したことのない人たちばかり。
正直、疲れてしまった。
逃出したいなあ・・・
30分ほどでそんなことを考えた。
「すみません・・・」
3人ほど向こうの席で、カバンを持ち幹事に頭を下げている同僚。
そういえば、約束があるって言っていたはず。
チラッと目が合うと、「ごめんね」と手を合わせられた。
フーン、デートかな。
開始から1時間ほどがたった。
いつ帰ろうかとタイミングを見ながら飲んだせいか、ジョッキを空けるスピードはいつにも増して速かった。
危険だなと思いながら、早くここを出ることにしか頭が働かなかった。
「ごめん、抜けるわ」
幹事に声をかけている男性。
あれは、脳外科の大樹先生。
相変わらず素敵ね。
「大樹先生がいないとみんなが寂しがりますよ」
幹事が言っても、
「ごめんね」
なるべく目立たないように部屋を出て行こうとしてる。
そうだ、今なら私も出て行けるかも。
「ごめんなさい、これで失礼します」
幹事をしている先輩ナースに声をかけた。
「えっ、杉本さんも?」
「すみません」
「もう、しかたないわね」
ホッ、なんとか帰れそう。
この時の私は自分が酔っ払っているとは思ってもいなかった。
久しぶりに朝まで残ってしまったアルコール。
この感じは・・・2日酔い確定だわ。
はぁー。
大きな溜息を1つ。
一体私は何をやってるんだ。
それに・・
やっと目が覚めて、辺りを見回す。
え、ええっ。
嘘。
ここは、家じゃない。
杉本桃子、27歳。看護師3年目。
真面目に地道に生きてきたつもりなのに、酔っ払って知らない部屋で目を覚ますなんて、一生の不覚。
待て待て、落ち着くのよ。
ここは冷静に昨日のことを思い出して。
昨日は職場の親睦会だった。
うちの部署の発案だから勤務じゃない人は強制参加だなんて言われて、無理矢理連れ出された。
いつもだったら絶対に行かないんだけれど・・・
「無理強いする気はないけれど、何か予定があるの?」
と、師長に言われ、
「予定はないのですが」
と答えてしまった。
「あなたがこういうの好きでないのは知っているけれど、たまには顔を出したら?今はまだいいけれど、これから先人を統率する立場になったとき、今のままでは良くないと思うわよ」
「・・・すみません」
他に言葉がなかった。
無愛想で、かわいげのない私をいつもかばってくれる師長は本当にいい上司だと思う。
私が今の病院で看護師を続けていられるのも素敵な上司に恵まれたから。
その意味では感謝しかない。
「嫌なら途中で帰ればいいから。ね?」
「はぁ」
ここまで言われて断ることはできなかった。
1次会は病院近くの居酒屋。
メンバーは20代から30代前半の独身ナースやドクター、そのほか病院スタッフ。
大体20人位が参加していた。
普段救急病棟に勤める私は、他の部署に比べたら色んな科のドクターと顔を合わせることが多い。
でもそれって仕事上のことで、ちゃんと話したことのない人たちばかり。
正直、疲れてしまった。
逃出したいなあ・・・
30分ほどでそんなことを考えた。
「すみません・・・」
3人ほど向こうの席で、カバンを持ち幹事に頭を下げている同僚。
そういえば、約束があるって言っていたはず。
チラッと目が合うと、「ごめんね」と手を合わせられた。
フーン、デートかな。
開始から1時間ほどがたった。
いつ帰ろうかとタイミングを見ながら飲んだせいか、ジョッキを空けるスピードはいつにも増して速かった。
危険だなと思いながら、早くここを出ることにしか頭が働かなかった。
「ごめん、抜けるわ」
幹事に声をかけている男性。
あれは、脳外科の大樹先生。
相変わらず素敵ね。
「大樹先生がいないとみんなが寂しがりますよ」
幹事が言っても、
「ごめんね」
なるべく目立たないように部屋を出て行こうとしてる。
そうだ、今なら私も出て行けるかも。
「ごめんなさい、これで失礼します」
幹事をしている先輩ナースに声をかけた。
「えっ、杉本さんも?」
「すみません」
「もう、しかたないわね」
ホッ、なんとか帰れそう。
この時の私は自分が酔っ払っているとは思ってもいなかった。