「ちいちゃん!お母さん、お迎えに来たよ〜。」




「ママ〜!」




「ちい〜。今日も楽しかった?」




「うん!あのねあのね、お絵描きしててね、せんせーに上手だねって褒められたんだよ!」



「良かったね〜。ちい!」




「うん!」




私達が話していると、美咲先生が近づいてきた。




「ちひろちゃん!さようなら!」




「みさきせんせー。さようなら!」




美咲先生が手を振ると、ちいは小さい手でブンブンと大きく手を振り返した。




幼稚園を出ると、ちいの手が私の手を握りしめた。




その手は、じんわりと暖かい温もりを感じた手だった。