えっ…?彼女の突然の発言に驚いてしまった。
私も梨子もクラスメートだけど、友人ではないし
そんな事を言った覚えはない。
「そうなのか」
「2人共、改めて紹介するわね。
夫の岩波洋一さん。あの有名な難関K大出身で
IT企業の社長で超お金持ちなの。
私に勿体ないぐらいの優秀でエリートで
イケメンだから、皆羨ましがられちゃって
あ、そうだわ。洋一さん。この人達に
洋一さんのご友人を紹介してさしあげたらどうかしら?
相手も居ないようだし」
白川さんは、そう言ってきた。はい!?
何を言い出すの…この人は?
確かに彼氏が居ないけど、よく確めにせずに
何を言っているの?
誰も紹介してくれとは言っていない。何でこんな事に?
「まぁ、美麗の友人なら紹介してやらん事もないが
さすがに俺みたいな男は、おらんしな」
「確かに洋一さんのような人は、何処捜しても
完璧な男は、居ないわよね。
でも、大丈夫。この人達ぐらいなら
多少劣っていても文句なんて言えないわよ。
私は、優しいから友人のために何かしてやりたいの」
「そうか。まぁ、俺より劣る男なんて
腐るほど居るからな。
いいだろう…優しい美麗のために紹介してやる」
「キャー洋一さん優しい」
勝手に盛り上がる2人をよそに私と梨子は、
唖然とした。ちょっと持って。
完璧な男とか、エリートとか頼んでもいない。
私は、そんな事を望んでいないし
むしろ今は、そんなのどうでもいいのに……。
私が今悩んでいるのは、先生との片思いのことだ。
「何を考えてるのよ…コイツら」
梨子は、呆れたようにぼやきだした。
私は、慌てて否定しようとするが、その前に
違う人から声をかけてきた。白川さんは、
勝ち誇った表情でそちらに行ってしまった。
すると旦那さんは、行かず私と梨子を
ジロジロと見つめていた。な、何……?
「ふーん。まぁまぁか。もう少し
美人だったら考えてやらん事もないのに」
上から目線でそんな事を言ってきた。
どういうこと……?
意味が分からずに唖然とする。
そのまま旦那さんは、行ってしまった。
「何なのあれ?」
「さぁ……?」