結婚が出来た白川さんが羨ましい。
例えしたくても先生は、今も奥さんを愛していて
再婚しないと言っていた。そもそも結婚どころか
付き合ってもいないのに。
ハァッ……と深いため息を漏らしていた。
「何よ?何かあったの?」
「……うん。あのね……」
そう言いかけた時、司会が談話タイム?とやらになった。
何か主役である2人が配慮して入れてくれたらしい。
梨子の話だと、ただ自慢するための
配慮だろうと言っていたけど彼女のもとには、
数人の友人達が集まっていた。
その友人もまた、派手好きで似たタイプばかりだ。
「あ、優希も居るわね。まったく何を
考えているのか分からないわね」
ブツブツと文句を言いながら梨子は、飲んでいると
白川さんが遠くで見ていた私に気づき声をかけてきた。
何故そう仲良くもない私達に近づいたのか分からない。
梨子もゲッとした表情をしていた。
「久しぶりね。2人共。
私達のために出席してくれて嬉しいわ」
「あ、結婚おめでとう。白川さん」
私は、素直にお祝いを伝えた。
梨子も嫌々ながらもおめでとうと伝えた。
白川さんは、そんな私達を見ながらクスクスと笑っていた。
「フフッ…ありがとう。まぁ、もう
“白川”ではないのだけどね。2人共は、どうなの?
結婚の予定とかあるの?もし相手も居なくても
気にする必要なんてないわ。今は、婚期が遅いと言うし
焦る事はないわよ。まぁ私は、早かったけど」
「いい?好意を持った人が現れたら
自分から行かないとダメよ。
あなたみたいなレベルの人が待った所で
誰も声なんか、かけてこないのだから。
まぁ、私みたいなレベルになると黙っていても
向こうから声をかけられるのだけどね」
得意気にマウントを取りながら自慢話を始めてきた。
学生の頃と変わらないな。
彼女は、やたらに自慢をしたがる。
「……人のことを貶して自慢かよ……」
梨子の聞こえるか聞こえないぐらいの呟きに
私は、苦笑いしていると向こうから
「美麗」と呼びながら旦那さんがこちらに来た。
「あ、洋一さん。こちらは、私の高校時代の
クラスメートで友人の涼花と梨子よ。
もう私達の結婚式を見て羨ましいって褒めてくれていたの」