「先生。これは……!?」
「無料で貸し出しが出来る所で借りてきた。
これがあれば、移動しやすくなるだろ」
先生は、車椅子をセットしながらそう言ってきた。
何処からそんな車椅子を持って来たのだろうか?
確かに…これがあれば、移動しやすいけど
いいのだろうか?借りても
「で、でも……軽い捻挫ですし」
「俺は、待たされるのが嫌いだ。
さっさと乗れ。乗らんと今すぐに帰るぞ!」
ギロッと睨まれてしまう。ひぃぃっ……!!
私は、返事をすると慌てて車椅子に座った。
初めて……座ってしまった。
意外と座り心地は、いいかもしれない。
すると睦月君が抱っこをねだってきた。
えっ?抱っこ……?
「そうね。抱っこね」
睦月君をお膝に乗せてあげる。
何だか乗り物を乗っている気分だ。
「くっ…2人分だと重いな。よし。行くぞ!」
先生は、力を入れて車椅子を押してくれた。
何だか申し訳ない。
罪悪感ー抱きながら遊園地の方に向かって行く。
しばらくするとペンギン・メリーゴーランドが見えてきた。
睦月君は、それを興味深そうに見ていた。
「睦月君。これに乗りたいの?」
そう尋ねるとコクリと頷いてきた。
やはり興味があるみたいだ。
ペン太君の形をしていて可愛らしいものね。
「先生。あのメリーゴーランドに乗りたいです」
「あ?メリーゴーランド?あれか……」
先生は、メリーゴーランドを見せた。
そして連れて行ってくれた。
うわぁ~こういう乗り物は、久しぶりだわ。