「うるせー歩けないんだろ?早くしろ!!」

怒鳴られ無理やりおんぶされる。
睦月君は、その後ろを追いかけてきた。
周りは、驚いて注目していた。うっ……恥ずかしい。
あまりにも恥ずかしくて先生の背中に踞る。
医務室に連れて行かれ診てもらうとやはり捻挫だった。

ショック……こんな時に怪我をするなんて
よりにもよって……こんな時に。
ショックのあまり声を出ないでいると先生が

「まったく。張り切り過ぎて捻挫するとか
お前は、ガキかよ?
これだと歩き回れないから中止にするしかねぇーな」

「そ、それは嫌です!!せっかく遊びに来たのに…」

今度は、いつ来れるか分からないのに
中止だなんて……なるべき避けない。
そのために入念に計画だって立てて楽しみにしていたのに。

「だが、そんな足でまともに歩けないだろ?
パーク内は、広いんだぞ」

うっ……言われると言葉を無くした。
それは……そうなんだけど。でも……。
諦め切れない私は渋った。
すると先生の足をバシバシ叩く睦月君。

「なんだ?」と先生が聞くと
「僕ももっと…遊びたい」と主張してきた。
睦月君……?

「しかしだな……」

先生は、眉を寄せながら考え込んでいた。
やはりダメだろうか……?
あぁ、私っていつもそうだ。母も言っていたけど
張り切ると必ず転んだり怪我をしていた。失敗ばかり。
せっかく楽しい思い出作りにするはずだったのに。
涙が溢れてきた。すると先生がため息を吐いた。

「仕方がない。あれを使うか……。
ちょっと、そこで睦月と一緒に待っていろ」

「えっ?先生……」

先生は、ブツブツと言うと何処かに行ってしまった。
睦月君と一緒にポツンと残される。
あれ……とは、何のことだろうか?

「パパ。何処に行ったんだろうね?」

睦月君は、首を傾げていた。
そしてしばらく待っていると先生が戻ってきた。
車椅子を押しながらだが……。