私は、慌てて先生の車に乗った。カッコいい車だ。
中に入ると後部席にチャイルドシートが設置してあり
睦月君がそこに座っていた。
「おはよう、睦月君」
「おはよう」
挨拶をすると睦月君は、返事をしてくれた。
ペンギンランドまでは、車で片道1時間ぐらいだ。
先生は、運転席に乗るとエンジンをかけて
車を走らせた。私は、ガイドブックを取り出して
乗り物のスケジュールを確認する。
「あ、あの…中に入ったらまず人気なのが
ペンギン・ジェットコースターとか
ペンギン・マウンテンに乗るのがいいと思います。
あ、このペンギン・ギャラクシージェットが
面白そうかと」
「おい」
「はい?」
「乗りたいのを言うのは、いいが…お前。
ウチに4歳児の睦月が居るのを忘れてないか?」
先生は、呆れたようにため息混じりに言われた。
えっ……?しかし、すぐにハッとして
ガイドブックを確かめた。
私が言った乗り物は、全て年齢制限も
身長制限も引っかかった。
つまり睦月君は、乗ることが出来ない。
ガーン!!
そ、そんな……せっかく調べたのに。
何故、気づかなかったのかしら?
私は、ショックを受けていた。
「お前な……自分の乗りたい物ばかりじゃねぇーか。
睦月の事を忘れてるな」
「い、いえ…けして忘れた訳では!!」
どれも人気ですし、男の子なら
こういう絶叫マシンの方が好きかと思いまして
慌てて否定する。
「でも、乗れなかった意味がないだろ。大体
年齢的にもそんな絶叫マシンを乗せようとするな」
うっ……。
正論過ぎて何も言えなくなる。
確かに……小さな子供に乗せるものではない。
危険が及ぶから
あぁ、どうして私ってこうなんだろう?